やまゆり生活協同組合

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ニュース

9月商品検討委員会

10月28日

「丹沢農場の新工場を訪問しました」

9月11日(水)、株式会社 丹沢農場さんの新工場を訪れました。旧社名の中津ミートの名前で記憶されている方も多い、やまゆりと長くお付き合いくださっている生産者さんです。この度新工場を立ち上げられ、ますます力強く畜産を先導する社長の松下さんと、営業の太田さんにお話を伺い、工場の見学もさせていただきました。

丹沢農場は、元々、海老名畜産という養豚の会社でした。その後、自身で育てた豚肉をハムやソーセージに加工する中津ミートも設立し、添加物を使わない加工品を40年以上にわたって作り続けてきました。そして2022年に両社を合併して誕生したのが丹沢農場です。松下さんの誇りは、信念をもって育てた豚肉を加工まで一貫してこだわり抜き、納得のいく商品を私たちに届けてくださっていることです。そして、昨今の気候変動による様々な影響の中でも、その信念を守り、社員の皆さんと一致団結し、企業努力で厳しい状況を乗り越えていらっしゃいます。

この夏の困難は、酷暑のために母豚が妊娠しないことでした。夏の環境は重要で、12月から3月にお産を迎えるために涼しく快適に整える必要がありますが、まさに対応しきれないレベルでした。このような理由で市場に出る豚肉が激減し、価格も高騰しているそうです。


育成・肥育期85~180日齢、体重45~120㎏は土着微生物を活かしたおがくずの発酵床で飼育

いつどんなときも揺るがない松下社長の信念は
1、美味しく 
2、安心安全 
3、環境負荷を減らす
畜産です🌱

広い豚舎でのびのび過ごす豚さんたち(感染症から守るため豚舎には入れませんので、写真で拝見しました)。寝床には厚さ1.2mのおがくずを敷き詰め、土着微生物を繁殖させることで糞尿を発酵分解しています(使用後のおがくずは堆肥として利用)。これにより快適さを保ちながら、臭いの発生も抑えています。

また、肉の味を決めるのは品種35%、飼料65%と言われており、丹沢農場のこだわりの飼料には、遺伝子組み換えの混入を防ぐための分別生産流通管理を行ったトウモロコシと大豆粕に加え、国産のサツマイモ、大麦、玄米(肥育期には30%に増やす)を使用、その結果、臭みがなく脂に旨味がのった美味しい豚肉に育ちます。

これらの取り組みは、アニマルウェルフェア(動物福祉)にも即しており、「いずれは奪われる命であっても、生きている間はできる限りストレスのない、その動物本来の行動ができる環境で育てるべきである」という考えに基づいています。また、米の需要補助の観点からも自給率向上と放棄地の削減にもつながります。薬剤については、ストレスを減らす飼育を軸に肥育期には一切使用せず、飼育期間中に何らかの治療に使わざるを得ない場合にも、法で定められた休薬期間を2倍に伸ばし、安全性を高めています。


旧工場と比べ枝肉庫が広くなり、枝肉中心部まで速やかに冷やすことができ、良い状態で保管が可能

こうして育った美味しい豚肉を、さらに美味しく仕上げる加工技術にも技ありです。なんと工場を屠畜場から30分の距離に建設されています(もちろん計画的に土地を求められたそうです)!

生肉は、鮮度抜群の骨付き(枝肉)の状態で吊るして低温熟成し、肉質を向上させます。ハム・ソーセージは、味付けに塩、粗糖、香辛料のみを使用。豚肉に旨味が十分にあるからこそ、化学調味料を必要としない、安心安全な食品が実現できるのです。


精肉など、1日6000~7000パック製造

丹沢農場のロースハムは、生肉100gから90gのハムができます。ハムは生肉を加熱して作りますので、抜けた水分の重量が減るわけです。

しかし市販のロースハムの場合、生肉100gから120g〜130gのハムができます。え?増えてる?このからくりはリン酸塩などの結着剤で水を含ませているのです。
当然、肉の味が薄まるため、タンパク加水分解物やアミノ酸等を加え、見た目の美しさ(きれいなピンク色)の向上や臭みを消す効果もある発色剤、長期保存を可能にする酸化防止剤も加えています。

ソーセージには、さらにすごいこだわりが!キーワードは『温屠体(おんとたい)』。屠畜後8時間以内のまだ体温の残る生肉を温屠体といい、これをペーストにしてソーセージに加えると、天然の結着剤となり、弾力と歯応えが生まれます。ドイツの伝統製法ですが、現地ドイツでもほとんど見られなくなり、日本では3箇所ほどしかないそうです。まさに屠畜場に近い工場(繰り返しになりますが、屠畜後30分で工場に戻ります)だからこそ実現できる製法なのです。

このほか、ドイツフェスマン社製のスライサーやオーブンが導入され、こだわりの加工技術を最高の状態で仕上げるラインが完成しました。この自慢の商品をお味見させていただくと、豚バラしゃぶしゃぶ用はしっとりと柔らかく、脂も旨味が楽しめます。ロースハムはその旨味を凝縮したまさにお肉。皮なしウインナーは程よい弾力があり、お子様にも食べやすい優しい味わいになっています。味噌漬けもコクがあって、お好みのお野菜と合わせて炒めればメインにもお弁当にもぴったり。これからの季節はサツマイモと合わせてもいいですね。全て美味しくいただきました。

こんなにもこだわりが詰まった商品が、鮮度抜群の状態で、やまゆりでは毎週注文できます。

みなさんもぜひご自身の味覚で確かめて、楽しんでください。(報告/組合員理事 林)